Aussie Bites!
Aussie Bites! (記事一覧へ)
「オーストラリア旅行記(第二章)」 (MIA局長 藤元幸一郎さん)
夕食はレストランカーにグループ別に時間をずらして呼び
出されます。料理は本格的なもので、もちろん、ビール、ワイ
ンも十分に準備されています。私は、一泊だけの旅でした
が、パースまで乗車する人は、この食事が最大の楽しみだっ
たと思います。食事がすむと、部屋に帰り、ときどき強い揺れ
の列車の中でシャワーです。壁に手をついて支えながら済ま
せました。それが終わると、もうやることは何もありません。テ
レビもなく、ベッドに入りました。
夜が明けると、荒涼とした場所を列車は走っていました。
午前7時頃、近くに採石場があったような、ブロークンヒル駅
に停車しました。ここまでシドニーから1160キロメートル、昔
は鉱山の町として栄えたそうです。駅の近くにはほとんど人
家はありません。ホームにはバスが待っていました。そのバス
に乗り換えると、砂漠のなかの道路を30分くらい走り、小高
い丘の近くに行き、バスを降りました。その丘に登ると、石に
彫刻した作品が数十点展示されています。周りには何もな
く、遠く水平線が見えるだけです。1時間ほどで再び駅に戻
り、インディアンパシィフィック号に戻りました。
ブロークンヒル駅を発車。レストランカーで朝食とると、再
び、ラウンジカーでビールを飲みながらの旅です。牧場が
延々と続く風景もありました。午後になって、列車は道路に
沿って走ったりするようになりました。その道路標識には、こ
の先、ガソリンスタンドが無い、携帯電話が通じない、買い物
をする店がないなどの、日本にはない標識を見ました。さす
がにオーストラリアは広いと実感しました。シドニー駅から、
24時間乗車した、インディアンパシィフィック号は、午後3
時、南オーストラリア州のアデレード駅専用ホームに停車し
ました。