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「オーストラリア旅行記(第一章)」 (MIA会員 藤元幸一郎さん)

オーストラリア、シドニー空港到着前の日本航空機内で、入国審査が厳しいので、間違いなく記入するように言われた申告書を何度も確認していて、着陸前の風景を見る余裕もなく飛行機は着陸しました。降機した海外旅行初心者の私は、パスポートを機械にかざし、出口に向かっていると、係官は入国者のチケットを見て、パーテーションで仕切られた通路を振り分け、何処で審査があるのかと歩いていると、別の係官が、「Go、Go」と叫んでいます。速足で歩いてゆくと、そこはもうオーストラリアでした。あれ、入国審査はどこで?あっけない入国でした。そこには都城市の国際交流員だった、ダリン・ハミルトンさんが待っていてくれました。もちろん彼は日本語堪能です。英語が話せない私は安心しました。
今回のオーストラリア行は、大陸横断鉄道、インディアン・パシフィック号に乗るのが大きな目的でした。シドニーから西海岸のパースまで3泊4日で走る列車です。そのうち今回乗車はシドニーからアデレードまで乗車する1泊2日の旅です。
シドニー到着の翌日、午後3時、列車はシドニーセントラル駅を発車しました。ディーゼル機関車が引く客車列車で総重量1700トンの長大編成です。客室は2段ベッド、トイレ、シャワー付の個室です。その他レストランカー、ラウンジカーが連結されています。
列車はシドニー市内をゆっくり進み、次第に郊外に出てゆきます。そのうち、家屋もほとんど見ることがなくなり、森の中を進んでゆきます。たまに建物と人が住んでいるような場所を走りますが、次第に深い森の中を走るようになりました。風景にも飽きてラウンジカーに行くと、乗客がソファでお酒を飲みながらゆっくりと過ごしています。乗客はほとんどシニアの夫婦、友人の様子で、ビール、ワインは飲み放題、早速オーストラリアのビールを開けました。窓の外は、日本のように山や川や町が出てくるようには変わらず、相変わらず同じ風景です。段々と日が暮れ、室内灯が窓に映り、外の風景も見えなくなりました。こうなれば、もう飲むことしかありません。今日の後の楽しみは夕食のレストランカーです。呼出しがあるまで、ひたすら飲みました。 ~~次号に続く~~


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